夏祭りの終わりの時間
ここのところ、更新できずにいた。
軽い気持ちが空回りして、軽すぎて明日でいいやって、一週間が経った。もう少し重い気持ちを持とう。
今日は、子供の保育園の夏祭りだった。
夏祭りの思い出は、近くて遠い同級生の女子の思い出。
なにか、特別な出来事が起きていて、ただ、それが何かわからないまま、お祭りは過ぎていく。
バイバイ、と手を振った彼女の後ろ姿を、薄暗がりのなかでずっと追っている。
翌日は何も変わらない。変わらない日常だったのに、何が変化している。毎年、それを繰り返した。
気がつくと、いつの間にか彼女たちはどこで何しているのかすら、わからなくなってしまった。
男の子と女の子は、いつまでも一緒に並んで歩けるわけでもない。
アラン・シリトーの短編集『長距離走者の孤独』のなかにある「フランキー・ブラーの没落」は、幼い主人公の英雄と、大人になった時に街ですれ違う。彼らの間に流れた時間はお互いをどんどん引き離していった。
- 作者: アランシリトー,Alan Sillitoe,丸谷才一,河野一郎
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ニール・ジョーダンがメガホンを取った、『ブッチャー・ボーイ』はガキ大将が時の流れとともに、世の中からドロップアウトしていく。彼一人だけ、変わらなかった。周囲はどんどん変わっていった。彼はそれに気がつかず、年を重ねる。
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それから、スチュアート・タイベックの『僕はマゼランと旅をした』。
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男の子はいつまでも子供のままだ、と思ったら大間違いだ。子供のままでいたい気持ちを持ちながら、絶えず大人になろうとする時間と戦っている。時にその戦いに勝った男の子は、勝者として崇められるよりも、落伍者として蔑まれることの方が多い。
いつから、変わらない自分を見捨ててしまうのだろう。もう一度、子供の頃の自分を見つめてみようと思った、夏祭りの終わり。