本のこと、はしること、山形県のこと。

本と本屋さんのことを中心に書こうと思ってます。走るのが好きです。山形県出身です。内容をちょっとづつ調整していってます。

呑み鉄本線 フラワー長井線

BSで、六角精児の呑み鉄本線という番組をしていた。
故郷を走るフラワー長井線だった。
赤湯駅から荒砥までの区間を乗った。

六角精児が今泉駅米坂線と並ぶフラワー長井線を眺めている場面からその番組を見た。懐かしかった。

小学生の頃だろう。
少林寺拳法の全国大会へ出場したことがあった。夜にフラワー長井線に乗ると、今泉駅で降りた。
たぶんもう走っていない寝台列車
今泉駅から乗った記憶がある。もしかしたら、米坂線で新潟まで出たのかもしれない。今となっては、どんな経路だったか覚えてない。
ただあの頃、今泉駅は東京へつながっていた。

羽前成田駅に降りた六角精児は、古い駅舎をいいねーと言っていた。
あの形の駅舎は、フラワー長井線にたくさん残っていた。20年くらい前からどんどん壊され、新しくなった。新しくなった駅舎はただの小屋みたいでみすぼらしい。

高校時代、最寄り駅の駅舎はまだ古いものだった。
駅のホームから眺める景色は田んぼと山ばかりで、それは今も変わらない。
駅は無人駅で、国鉄時代に使われていただろう、駅員室が砂埃だらけになっていた。乗降者するお客の数を考えると、無駄に大きな駅だった。

僕らは毎夜その駅に集まっていた。
夏も冬も。冬の寒い日だった。暖をとろう、と誰かが言った。電話ボックスに置かれているタウンページやその辺に落ちている枝を集めて日をつけた。駅舎の中は暖かくなった。
味を占めた僕らは、寒くなると焚き火をするようになった。
ある日、駅が燃えていると勘違いした大人が119番に電話した。
奴らが勘違いしたのに僕らが叱られた。

それでも、焚き火をすることがあった。たまにだったけど。
そして、何度か見つかって怒られた。

駅に向かう道に車の光が見えると、誰かが車来た、と言う。みんなで逃げようとする。
勢いあまり、窓ガラスを割ったことがあった。隙間のあいた駅舎はとても寒くなった。焚き火をしても温まらないくらいに。


今頃の季節は、蝉時雨が山と田んぼの間に響き、雨蛙の声が一斉に鳴く。
毎年、また夏が過ぎてしまう、と思った。
同じくらいの女の子たちはそっぽ向いて遊んでくれることはなかった。所属していた陸上部での成績は全然あがらない。
時間が過ぎて、高校も卒業する年になる。勉強は元よりできなかったから、就職するやつばかりだった。
いつも遊んでた奴らの中で、僕だけ、大学へ行った。そして、いつの間にか東京へ来た。

逃げるんじゃない、負けたんじゃない、ただちょっと弱くなっただけ。

そんな歌詞だったと思う。フラワー長井線の映像と一緒に、六角精児が歌う歌が流れる。めちゃくちゃよかった。

ディーゼル

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  • 六角精児バンド
  • ポップ
  • ¥200


ナレーションの壇蜜もよかった。
なんだか、卒業して高校へ遊びに来た女子の先輩みたいだった。
色っぽいんだ。なんか、彼女たちは。なんでだろうな。

六角精児 鉄旅の流儀 (JTBの交通ムック)

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ちなみに、スゥイングガールズもフラワー長井線だがんね!
ジャズすんべ!

スウィングガールズ スタンダード・エディション [DVD]

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