本のこと、はしること、山形県のこと。

本と本屋さんのことを中心に書こうと思ってます。走るのが好きです。山形県出身です。内容をちょっとづつ調整していってます。

得体の知れない不吉な塊

津田沼駅には千葉工大がある。
千葉工大の男女比はおよそ9:1らしい。男子校といってもいいんじゃないだろうか。男の花園化した千葉工大へやってくる女子たちと、男の子たちはどんな距離感で接するのだろう。
1割だったらかえっていない方が精神衛生上、健康を保てる気もする。
でも、存在する。

この得体の知れない悶々とする塊が彼らの心を終始押さえつけている状態で、勉学に励み、キャンパスライフを送らなければならない。彼らの悶々とした塊を放つ手立ては少ない。

千葉工大のすぐそばには、丸善津田沼店がある。
ここには、得体の知れない塊が棚に忍び込む。

彼らの多くは、1割の女子に嫌われないように生きるだろう。一生懸命に自分を見繕うのだろう。そして、嫌われないように生きているのがバレたら、嫌われてしまうだろう、と常に緊張した状態でいる。

アニメイト津田沼店は、分かりづらい場所にあるし、大きな看板も出てなかった。それでもお客さんで混んでいた。
お客さんのほとんどは、学生のようだった。大声で話し解放されたようにマンガ本のことを話していた。そこには、萌え系の本もBLマンガも揃えられていた。

駅に直結したホテルメッツの一部には、くまざわ書店津田沼店がある。
駅直結で津田沼周辺に住んでいる人たちをお客さんにしている。

駅を挟んで反対側にはacademiaくまざわ書店津田沼パルコ店がある。BLが売れる。男子ばかりが嫌われないように自分を見繕くろっているわけではないのかもしれない。

彼女たちはギークだ。ギークであることは、誇りだ。彼女たちは丸善津田沼店で実験の本を買う。数学の本を買う。図鑑を買う。丸善の袋を手に持ったまま、駅の反対側へ向かう。洋服を買うの、という気配を漂わせ、BLの本を買うのかもしれない。

ブツクス昭和堂は丁寧に整理された本屋だった。専門書はそれほど多く置かれているわけではない。理系の本も少ない。それでも、マンガ本のスペースは広かった。

就職して結婚した彼ら、彼女らが大学時代を過ごした津田沼に戻ってくる確率は低くないだろう。なぜなら、ここには隠された欲望と放たれた欲望があるから。

就職した彼ら、彼女らが東京からの帰途、津田沼駅からおりてくる。ふらっと昭和堂へ行く。かつてのめり込んだ学問の単語が本棚の背表紙にいくつか並んでいる。少しページを開き、今はこんな感じなのか、と微笑むだろう。
それから、本を棚にしまい、ビジネス書や実用書を手に取る。
最後にマンガスペースへ向かい、お気に入りのマンガ本の最新刊を買うのだ。

ギークマム ―21世紀のママと家族のための実験、工作、冒険アイデア (Make: Japan Books)

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檸檬 (新潮文庫)

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