YouTubeと『映像作家100人』
大宮まで、本屋へ、営業に行った。
うまく、時間が、使えなかった。
カバンに入れた、トーマス・マンの『トニオ・クレーガー』を電車の中で読んだ。
大宮から会社へ戻る。18時を過ぎていた。会社に戻ると、『映像作家100人2015』を本棚から持ってくる。彼らの作品を、ひとつ、ひとつ、観る。
七尾旅人の「テレポーテーション」のミュージックビデオを作成したのは、ひらのりょうという映像作家だ。彼のウェブサイトから、MVを見た。
山形の友だちのことを思い出した。
君に会いに行く、君に会いに行く、夢の中の僕らは、すぐに近づく。
歌が終わる。YouTubeの画像が切り替わる。停止ボタンを押す。次の作家を検索する。
やくしまるえつことd.v.dの「ぐるぐるアース」を検索する。昔、d.v.dは、『映像作家100人』のイベントに出てくれたことがあった。d.v.dのパフォーマンスは本当に楽しくて、一気にテンションが上がったのを覚えている。その日、一睡もせず、六本木ヒルズから朝陽を眺めた。
彼のミュージックビデオは、A4Aというグループだった。簡素な空間に映し出されるやくしまるえつこのバックに、d.v.dのパフォーマンスが映し出される。
僕は、それから、幾つかの映像作品をYouTubeで検索して、見て、停止ボタンを押し、また、検索した。
いつの間にか、僕は、当たり前のように気に入った作品を何度もリピートしている。CMもMVももう、録画はしない。
インターネットをつなぎ、グーグルへアクセスする。YouTubeを開く。見たい映像のキーワードを入れる。何度も何度も無料で見てから、僕らは、パッケージを購入するためにサイトへ飛ぶ。
タワーレコードへもHMVへも、行かない。電車の中、スマートフォンを取り出す。財布を開き、クレジットカードの番号を入力する。
決済が完了する。そして、YouTubeを開く。再び、検索する。同じ曲を聴く。
夢の中の僕らは、すぐに近づく。
夢の外の僕らは、布団の上で、液晶画面をいじっている。
映像作家100人 2015 -JAPANESE MOTION GRAPHIC CREATORS 2015 (DVD-ROM付)
- 作者: 庄野祐輔,古屋蔵人,藤田夏海
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/04/20
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