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本のこと、はしること、山形県のこと。

本と本屋さんのことを中心に書こうと思ってます。走るのが好きです。山形県出身です。内容をちょっとづつ調整していってます。

妻と『ブッタの言葉』

今週のお題「結婚を決めた理由」

中学生の頃だったと思う。初恋の女の子が好きな男の子は、彼女といい関係になっていた。けれど、彼女にライバルが現れ、違う女の子に彼を取られた。彼は優しくて二枚目で運動が出来て頭が良かった。
たまたま、文化祭か何かだったと思う。僕は初恋の女の子と一緒に、夕方遅くまで何かの作業に追われることが多くなった。自然と二人きりになることが多くなり、彼への想いや悲しさなんかを聞いていた。
よくあることだけど、僕とその子の距離は近づき、もう少しで良い関係になりそうだった。

冬のことだ。雪がとても積もっていて、寒かった。学校帰りは、いつも二人で帰ってた。ある日を境にして、彼女が心から笑わなくなっていたことには気がついていた。そして、僕は「やっぱり、◯◯君のことが好きなの」と言われた。何度も繰り返すけど、彼は優しくて二枚目で、運動が出来て頭が良かった。

そうだ。あの日を境にして、僕は考え方を変えた。まともに戦っても勝てないものは勝てない、と。そして、僕はいつの間にか、ボタンを掛け違えた。モテたくて人と違う趣味や能力を身につけているうちに、こじれた。女子にキャーキャー言われても仕方がないじゃないか、と斜に構え、モテなくてもいいと思うようになった。別にモテたわけでもないのに。

気がついたら、24年間、女の子とお付き合いをした事がなかった。こじれまくっている僕は、30歳まで貞節を保ち、その後、仏門に入る事をなぜか考えていた。

だが、世の中はあまりにも思い通りにならない。
女子へ抱く欲望をいかにして抑圧できるか。アダルトビデオの類といかにして決別するか。日々、煩悩と戦っている時だった。
ある日、友人とお酒を飲んだ。
酔っ払った僕は、池袋の公園で寝てしまい、全財産を置き引きされた。
次の週、わずかに残った予備のお金を入れた財布をすられた。
そして、次の週、もはや何も取られるものはない、と思っていたが、バイト先でカバンを取られ、免許証やレンタルビデオ屋の会員証などを取られた。
次の日、部屋の鍵を落とし、僕は途方にくれた。このままだと、空き巣に入られかねない勢いだった。

そんななか、バイト先の友人が女の子を紹介してくれるといった。もちろん、仏門へ下る予定だった僕は断った。だが、その日の僕は違った。いや、紹介してもらおう、と改めたのだ。
あらゆる煩悩を他力本願的に失った僕は、本来喜ぶべきなのに喜べなかった。僕は、仏門に下れないかもしれない。僕はそう思った。よし、ならば、女の子を紹介してもらおう。そして、何事もなければ、その時こそ、仏門に下ろう、と。

紹介してもらった女性は、僕のタイプの女の子で、僕は釈迦を捨てて、彼女のもとに走った。
釈迦を見捨てた時、僕は「やっぱり◯◯ちゃんが好きなんです」と釈迦に伝えた。釈迦は何も言わなかった。きっと彼は言われ慣れている。そして、そのたび、何事も起きない。

良い事をされても、悪い事をされても、心は常に平常を保つ。

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

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