本のこと、はしること、山形県のこと。

本と本屋さんのことを中心に書こうと思ってます。走るのが好きです。山形県出身です。内容をちょっとづつ調整していってます。

BOOK TRUCK と『ぼくはくたばりたくない』

山形から帰ってきたけど、家の鍵を忘れた。
なかなかどうでもいいけど、マン喫で満喫。


東京では大型連休に本のイベントがたくさんされていた。雑司が谷TABF東京ミッドタウン

山形の川西フレンドリープラザで至極の時間を過ごしたので、東京に着くのが遅くなった。さすがに全部は回れないと思っていたけど、一つ回るのもギリギリな時間。東京ミッドタウンへ足を伸ばすことにした。

東京ミッドタウンに着くと、芝生の上に寝転ぶ人の群れがあった。傾いた太陽の日差しが柔らかく、風が気持ちよかった。

イベントは質素だった。木材で作られた棚の上に本が並んでいる。ブックトレード、販売、貸し出し。構成はこの3つだけだった。

来られている人の多くは、たぶんそこまで本を読んでない方たちだろう。少ない構成はかえって、来られていた方に楽しみ方を明確にしていた。

BOOK TRUCKが販売に来ていた。
店長と少し話をしていた。
今は心地いいですが、昼間は日差しが強くて大変だった、と店長は語られた。確かにそうだ。ついつい、物事の一つの側面だけを見て判断してしまう。
涼しくなった芝の上を見ながら、いい時に来れたのだなと思った。

昔、港北ニュータウンに販売に来てる時、ボリス・ヴィアンの『ぼくはくたばりたくない』を買った。
ページを開かず少し眠らせていた。


ぼくはくたばりたくない
夢も見ずに眠っている
メキシコの黒犬たちを 知らずには
『ぼくはくたばりたくない』 ボリス・ヴィアン



もう少しでくたばりそうな軟弱な僕のが、夢見て眠っている、東京ミッドタウンのカップルたちを、羨ましそうに見ている。
日差しはもう暖かくないし、風は冷たくなってきた。
17時で終わるイベントの撤収が始まる。

ぼくはまだ、くたばりたくない。
そんな風に心で思うと同時に、『まだ』という副詞をつけた自分のことを思う。
だったらいつかくたばってしまいたいのだろうか。

生まれながらに体の弱かったボリス・ヴィアンには、たぶん『まだ』の景色は見れない。弱くて、現実にエクスキューズをつけながら生きていく景色を。

ぼくは、ボリス・ヴィアンが亡くなった年齢をすでに越えている。
くたばりたくない。