長崎書店と『Climax night』
昨夜、熊本県にある長崎書店の長崎さんが上京され、一緒にご飯を食べた。
外苑前になるのだろうか。
JCookという素敵な場所で同じ出版業界の営業の方々とのお食事だった。
長崎書店にはまだ伺ったことのない。他の方々はもう何度か伺っているようだった。
長崎さんは緩やかな口調で、たくさんのことをお話ししてくれた。
原宿駅に着いた時、Yogee New Waveの『Climax night』を聴いていた。
彼の声は、緩やかなで饒舌だった。
大学生の頃、目が見えなくても、女性を愛せると思っていた。コーラが嫌いで、水道水ばかり飲んでいた。
部屋は散らかっている。
毎日、家へ帰ると、CDプレーヤーの電源を入れた。再生ボタンを押す。Bright eysとradioheadというお気に入りのバンドの音楽がいつも流れた。
そうだ、あの頃は、世界がとても広いので、僕たちは誰の目にも触れることはないと思っていた。なんて悲しい現実なんだろうと思っていた。
主観的で美しい見えない世界が現実に消し去られてしまうと思っていた。
原宿は雨が降っていた。観光客で賑わっていたけど、店が閉まると人の波は消えた。
雨が降ってるからか、いつもより人がいなくなるのが早いように感じた。
長崎さんは緩やかに、あの懐かしい主観的な世界を語ってくれた。
目に見えなくても、姿かたちが分かる、そんな感受性にあふれた世界だった。
長崎次郎書店を立ち上げた。
目に見えなくても姿かたちが分かる世界が、もしかしたら熊本にあるのかもしれない。