打上げ花火、スーツで見るか、私服で見るか
浜松町にある文教堂浜松町店へ行った。
上京したばかりの頃、飲食店でアルバイトをしていた。同僚と四人で東京湾の花火大会を見に行った。
女の子2人と男2人とだった。
花火はあっという間に終わり、混雑した浜松町の駅へ向かった。夜を明かそうか、とファミリーレストランへ行った。女の子2人はずっと話をしていた。男2人は眠たそうに机に体を預けていた。
空が明るくなった頃、そろそろ帰ろう、と席を立った。
浜松町駅にはすでにスーツ姿の会社員が行き交っていた。互いのシフトを確認する。休みの人もいれば、夜にまた会う人もいた。
また会う人とは、じゃあ、また夜に、と言って別れた。
「打上げ花火、下から見るか、横から見るか」を見たのは、花火大会の後だった。
僕らは、打上げ花火を横から見ようとは誰も考えてなかった。
学生時代も過ぎてしまったし、親元からも離れて暮らしていた。
転校も駆け落ちする理由もない。
互いが互いに手を振って別れた。
今はスーツ姿で浜松町駅を歩く。
颯爽とね。
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