今夜の月はきれいですね
日本語しか読めないから、海外文学は翻訳されたものしか読んだことはない。
でも、少なからず翻訳の難しさは分かっているつもり。
山形から東京へ来た時、何が山形弁で何が東京弁かわからなかった。通じない言葉を説明しようとしてもうまく翻訳できないものが多い。
一応翻訳するとこんな感じ。
うるかす→水に浸しておく
しょしぇ→恥ずかしい
うだで→うざったい
あざぐ→探す、暴く
ごしゃげる→怒る
まっきる→本気出す
本当に感情が出ると、それをどう表現したらいいかわからない。
夏目漱石は、
I Love You
を
今夜の月はきれいですね
と訳した。
僕ならどうだろう。
おらっだなどさこお
僕たちのところに来ないか→僕たちの家に来ないか→僕の家族にならないか→愛してる。
まあ、今はそうでもないだろうけど、愛してるなんか、誰もいいやしないさ。
おれったのどごのは。
ちなみにスチュアート・ダイベックの『それ自身のインクで書かれた街』のページを久しぶりに開いたから、翻訳のことを思った。
7年前にダイベックが来日した時、サインをもらった。
柴田元幸さんのサインももらった。
サインを見ながら、翻訳って難しいと思った、というサインの自慢話。
ねえねえ、見て見て!
翻訳された小説って、翻訳家が好きなんだろうか。原作者が好きなんだろうか。英語でも中国語でもいいから、他言語覚えて読めばいいのに、結局、翻訳書で満足してしまう。
成長の跡が見られないなぁ。
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