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本のこと、はしること、山形県のこと。

本と本屋さんのことを中心に書こうと思ってます。走るのが好きです。山形県出身です。内容をちょっとづつ調整していってます。

意志と愛欲の渦中のパルコブックセンター渋谷店へ


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昨日と今日は暑い。
今まで涼しすぎたせいもあるけど、暑い。

渋谷駅で降りて、スクランブル交差点の前で信号待ちをしていると、萩原朔太郎の「群集の中を求めて歩く」を思い出す。

(以下引用)
わたしはいつも都會をもとめる
都會のにぎやかな群集の中に居ることをもとめる
群集は大きな感情をもつひとつの浪のやうなものだ
どこへでもながれていくひとつの意志と愛欲のぐるうぷだ。
萩原朔太郎ー『蝶を夢む』「群集のなかを求めて歩く」)

萩原朔太郎詩集 (岩波文庫)

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上京してきたのは、10年くらい前。
あの頃からインターネットは男女の出会いを街から奪い、大きな意志は少しずつスクランブル交差点から減りつつあった。

インターネットは本当の意味で新大陸だった。アメリカ大陸のように原住民を追い出し、我々の土地だ!と言う必要もない。
その真っ白な荒野の上をいつの間にか、ゲイツジョブズ、ペイジ、ザッカーバーグが占領しはじめた。

Webの創成 ― World Wide Webはいかにして生まれどこに向かうのか

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群集は、舗装された道を歩く。あまりに真っ白だったこの新大陸、群集は歩く場所を見出せず、周囲を見回していた。
はじめに、Microsoftが道を作った。その道は有料だったけど、使いやすくもあった。

ビル・ゲイツ―巨大ソフトウェア帝国を築いた男

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それから、ジョブズは会員限定のコミュニティを作った。そこでは、いろいろなものにお金がかからなかった。

スティーブ・ジョブズ I

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ラリー・ペイジは全ての道を無料にした。群集は大きな意志と愛欲を持って、その道に押し寄せた。

グーグル ネット覇者の真実

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そして、ザッカーバーグは街を作った。街は拡大した。アメリカの西海岸や上海、東京のように、広がるほどに力が失われるような街ではなかった。中心を持たない、大きな街を作った。

facebook

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ずっと、ジョブズはコミュニティを作っていた。より強いコミュニティを。そして、彼はコミュニティの会員に誰もが欲しがる証明書を与えた。その証明書さえあれば、ほとんどのサービスが無料になった。世界中のエンターテイメントが証明書さえあれば楽しむことができるようになった。

スティーブ・ジョブズ II

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渋谷のスクランブル交差点には外国人観光客しかいなかった。暑い日だ。外を歩くより、グーグルの作った道を、ジョブズの証明書を振りかざし、ザッカーバーグの街で遊んでいたほうがいい。
いつの間にかゲイツは忘れ去られたけど。


ミニスカートが風でひらひら舞っている。直射日光が額に汗をにじませる。
信号が青に変わる。
どこまでもどこまでも、群集は歩かない。いつしか、ぱらぱらと散り散りになって、一人、日差しを浴びている。

今日は、パルコブックセンター渋谷店へ向かう。
写真集やビジュアル書が揃うパルコブックセンター渋谷店は、大きなぐるうぷの先頭で、意志と愛欲を可視化する。
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