本が必要だった世界に、世界が見つけられなかった物。
インターネットが当たり前になった。
SNSでコミュニケーションをしたり、情報を得る。
インターネットが当たり前になった時、物を売ることってどういうことだろう。
ほとんどの物は、サイバー空間に収納できる。
物が不要になったら、僕たちは何を買うんだろうか。
僕は出版社の営業をしている。
本という物が何物なのか、考えている。昔みたいな物ではないし、そこに価値を見出している人は少ないんじゃないかな。
クラフトエヴィング商會というデザイナーであり作家がいる。
彼らの本は想像力を形にする。無形の物を有形にするから、魅力がある。物である本が欲しくなる。
- 作者: クラフト・エヴィング商會
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2014/01/27
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (20件) を見る
- 作者: クラフト・エヴィング商會
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/02
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
- 作者: クラフト・エヴィング商會
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1997/06
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 67回
- この商品を含むブログ (49件) を見る
この本も想像力を形にしている。
- 作者: 穂村弘,パンタグラフ
- 出版社/メーカー: パイインターナショナル
- 発売日: 2015/06/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (3件) を見る
宝物のように扱う本もある。
ピーター・ツムトアの『建築について考える』は彼の美意識を形にする。だから、物でなくてはならない。意識を形而下に落とさなくてはならないのが彼の仕事だから。
- 作者: ペーター・ツムトア,鈴木仁子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2012/05/19
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
- 作者: 堀江敏幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/11
- メディア: 単行本
- クリック: 63回
- この商品を含むブログ (113件) を見る
百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)
- 作者: ガブリエルガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,鼓直
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
- 購入: 25人 クリック: 269回
- この商品を含むブログ (274件) を見る
- 作者: 井上ひさし
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1985/09/27
- メディア: 文庫
- 購入: 4人 クリック: 88回
- この商品を含むブログ (56件) を見る
- 作者: 井上ひさし
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1985/09/27
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
- 作者: 井上ひさし
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1985/09/27
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
デザイン業界では、スペキュラティブデザイン、という言葉が注目されている。
今の世界ではない、世界を創造するデザイン。未来に対して「解決」を提示するのではなく、「問い」を提示するデザイン。
もし、本がこの世に存在しないのであれば、僕たちはいまどうなっているだろう。
視覚表現に特化しなかったなら、例えば、触覚を鋭敏に鍛えていたなら、僕たちの文化はどうだったのだろう。
いつも、当たり前のように問題を解決してきた結果、僕たちのテクノロジーは大量虐殺を生み出してしまった。
立ち止まり、本のない世界を想像する。そして、また一から本の世界を作り出す。それは紙ではない本かもしれない。目で愛でる物ではないかもしれない。
前にも書いたけど、
『万人のためのデザイン』がいい。
これからのデザインへ橋渡しする、デザインを問いただす一冊。
展示会の図録だったもの。
人間中心設計から次の産業革命(個人が作り出す世界)までの優れたデザインを集めている。
- 作者: エレン・ラプトン,武舎るみ,武舎広幸
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/06/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
本は、物として産み落とされた時、それを手にした人は、どんな価値を見出すのだろう。