京都と言えば「檸檬」しか思い出せない、シンプルな脳細胞。
京都へはやってきたけど、それだけ。
丸善京都店が閉店して、10年くらいかな。就職した年と同じ年だったと思う。
そういえば、W.Gゼーベルトの短編の冒頭にそんな話が書かれていた。あれは、「目眩まし」の中の一つだったと思う。
憂鬱な思いに耽る主人公は、パリの街の決められた区域だけを何日も歩いていた。
丸善の屋号で京都に本屋ができる。
BALの中になるだろう。
そのことを知ってからは、梶井基次郎の「檸檬」のことばかり考えている。
山積みの本の上に、檸檬を置く。
大正14年に仕掛けられた爆弾が、平成17年にあの気づまりな丸善を木っ端微塵にしたのだか、10年もあれば僕らは再生する。
ふたば書房+マルイ京都店へ行くと、昔からお世話になっている方々に歓待された。人と人のつながりは素敵だ。
あの得体のしれない不吉な塊を追い払い、檸檬の爆撃から身を守ってくれる。
もうすぐ名古屋へ着く。
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